本人の意思で決まった時間にリビングに集合することが原則です。本人の状態に合わせて配慮されていますが、自発的に起床する力を育成します。
起床に苦手意識を持つ人もいますが、それは気持ちの問題でなく「脳内の習慣」が関係しているものです。気持ちの改善からではなく、習慣から気持ちをつくる。活動的な一日を送る為に必要不可欠なトレーニングです。
安定した一日を送るために、セロトニン神経を活性化させることが必要だと言われています。活性化させるための行動の代表格が咀嚼(そしゃく)です。 エネルギーを摂取する目的だけでなく、朝の咀嚼を習慣化させることで心の安定を手に入れる習慣を身に付けます。当番制である朝食は、責任感の醸成と「つくる側の気持ち」を体得し誰かに感謝できる心を育てます。
登校時間は9:30と決まっていますが、強制力はありません。 しかし、「卒業=自立」が見えてくる段階においては、この定時登校は必要不可欠であることも生徒たちは理解していきます。その本人の状態に合わせた柔軟な対応に努めています。
チョイス(選択する)とスタディ(学習)をつなげた造語です。教務スタッフがそれぞれ別のカリキュラムを用意し生徒は「やってみたい」と思う学習を選択して受けることが出来ます。写真は体力づくりの様子。
朝会でその日の予定を確認します。生徒やスタッフがその日のニュースや身の回りの出来事で感じたことを発表する「朝のコラム」もあります。雑談から、社会問題まで幅広く関心を持つ力が身に付きます。
朝活は生徒が作った農作物の加工、出荷手配、周辺整備など様々な作業をする時間です。また「志探求の時間」では自分で決めた目標に向かって活動し自主性を育てるとともに、目標達成の充実感を得るための時間です。内容は読書や楽器など様々です。
スタッフや外部の講師が教壇に立って、総合的な知識についての学習を行います。カリキュラムは様々で社会生活で必要な知恵や礼儀など「詰め込み型」ではない生きた知識を学びます。月に1度開催される「職業人講話」では様々な職業の方々に講師になって頂き、仕事のやりがいや大変なところなどリアルに語っていただきます。
皆でお昼ご飯を食べます。サムガクでは田んぼを借りて生徒とスタッフでお米作りをしており、そのお米を毎日炊いて食べています。おかずはケータリングサービスで栄養バランスの取れたお弁当をいただきます。お昼休みはスポーツ、読書など様々。 イベント時には校長お手製のカレーライスを食べたり、生徒が季節の野菜を使ったメニューを考え調理実習を行うこともあります。
午前中の座学とは対照的に午後は体を動かす授業が行われます。スポーツインストラクターによる授業、画家の先生を招いてのデッサン、サムライ農園での農業活動も行われます。他にも就労体験授業も行われます。「働く為の力」と「働き続ける為の力」を実際に体験する中で身に付けていきます。授業で経験した後は、学園が運営する「中間就労現場」での実習を経て、賃金が発生する有償雇用へと移行していきます。
学校の各所を清掃します。朝の掃除はスタッフが、夕方の清掃は生徒がしています。
朝の会と同じく、日直がコラムを発表します。面白い話、感動した話、日常の話など内容は様々。一年もたつとどんな生徒たちも素敵なスピーカーへと成長します。話す力だけでなく「聴く力」、別名「入力力」の向上にもつながります。
放課後の活動も生徒にとって大切な時間。教室やホールを使って読書したり、卓球をしたり、楽器を練習したり、友達と語り合ったり。最近では生徒が自主的に部活を作り、新しく入った生徒に丁寧に教える姿も見られます。一日を振り返り、個別にスタッフと面談することも可能です。
朝食の食材の買い出しに。寮の朝食・夕食・掃除は当番制になっています。バイト中の生徒や体調不良の生徒など生徒同士で日々の調整をしながら助け合っています。
メニューは毎晩変わり、食材とレシピだけが寮に届きます。夕食当番が協力して、寮生全員の食事を作ります。今後一人暮らしを経験する過程において、様々な調理法を習慣的に身に付けることが出来ます。そして「つくる側」に立つことにより「偏食」が改善されるケースも少なくありません。バランスの良いメニュー構成が提案されているので、入寮してからほとんどの寮生たちが減量に至ります。中には半年で25キロ減量した生徒もいます。あくまで過度なダイエットなどではなく、「規則正しい時間にバランスの良い食事を摂る」ことで生まれる効果です。
1階は男性、2階は女性で、各自部屋が用意されており掃除洗濯など自ら身の回りのことを行います。共有スペースはリビング、お風呂、洗濯場などがあります。順番を話し合い共同で使います。
ミーティングでは二つの振り返りを。 一日の反省点と良かった点をみんなの前で発表します。 自己回帰によって自己認知を深め、共同生活者の現状を理解する力を身に付けます。なんとなく一日を過ごすのではなく、「無二の一日」で有ることを実感し続けることが、生活訓練の柱でもあります。
リビングは寮生の団らんの場になっています。ゲームをしたり、お茶を飲んだり、テレビを見たり、自室に戻ってゆっくり休む生徒もいます。寮にはスタッフルームもあり、よりリラックスした状態で面談を行うこともできます。
部屋での過ごし方も本人のセルフマネージメントに委ねられています。(原則消灯後の外出は禁止です)しかし「寮生活を習慣づけさせるためには何が必要か」ルールがないことで自己選択・自己決定の力が身に付きます。