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映画館

二日間の
勤務終了。

合計27ケースへの
アプローチ。
マジでヤバい数字に
なってきもうした。

ですが。
この時期は
それがしの存在価値が
まざまざと
可視化され時期でもありましてね。

二日間で
6名の合格報告を
受けたのであります。

もう
なんも言えね。

ハンデ抱え
無理だと言われながらも
高校に通い続け
卒業と進学を手にした子。

ハンデは光だと
厳しくそりゃ厳しく
支え続けたママ。
ハンデがあっても
生き抜く力を
育てようとしたママ。

本当に愛してるから
出来る厳しさだった。

ぶれない愛情が
伝わってたから
弱音ひとつ吐かずに
頑張り抜いた息子。

二人とも強かったさ。
ほんで優しかった。

スゲーよ。マジで。
おめでと。

いじめによって
髪の毛が全て抜け落ちるぐらい
苦しんだ女の子。

そうなったのは
自分のせいだと
自分を責め続け
親子共倒れになりそうだった。

こんなに苦しいなら。
いっそのこと。
なんども
死の淵に立った親子。

それがしに

「殺してくれませんか?」

を何度も投げつけてきた親子。

そんな二人に
三年間いい続けた言葉。

「ダメ。生かす!」

そんなことしか言えんかった。
それがしアホだから。

偏差値64の難関校に合格。
三人で泣いたわ泣いた。

診察室を出るときに
二人がハモった言葉を
それがしは
一生忘れんだろ。

「分かった!生きる!」

スゲーよ。
スゲー母子家族だよ。
おめでと。幸せになるんだ。

あいつも
あいつも
あいつも
あいつも

あのママも
あのオヤジもさ

みんなスゲーよ。

諦めなかったんよ。
自分も
自分の子どももさ。

親子の愛情には
他人は絶対に勝てね。

スゲー嬉しいけどさ
それがしなんぞ
クソの役にもたたねえなって。
敗北感200%な気分にもなる。

でも
それでいい。

それで十分それがしは救われる。

そう。
救うことなんて出来ね。
救おうなんて思えね。

でも
それがしは

「救われている。」

間違いない。

何年もの映画を
間近で観てきた。
笑いながら
泣きながら
時に怒りながら。

その映画が終わる。
明日を手に入れて
それがしの前から巣立ってく…。

カルテという
エンドロールを
嗚咽しながら書き終える。

出会えて良かった。
いい映画だった。
最高だったよ。

鼻かんで
一息入れて
新しい子どもの名前を呼ぶ。

あの日の
あいつと同じ顔の
子どもとママが
目の前にあらわれる。

おっし!
もう一本観るか!

これが
それがしの
現場最前線という名の
仕事だ。

映画館みたいだなって。
今更思った。

「ナガオカ」が
それがしに言う。

最近特に言う。

「大丈夫。ここからだ。」って。  

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