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ベーシスト

無言のSOSほど
その人間の本音を垣間見ることは
ありません。

SOSに答えられない
不甲斐ない自分にうんざりしている

不肖侍長岡です。

もう夏ですね。夏。

★★

「時間だって言って起こしたんですけど…」
「今日は気分が悪いって…」
「今日もダメでした…」

診察室のドアを開けて
予約相談者の名前を呼んだあと。

本人がそこにおらず
申し訳なさそうに
母親たちが口にする数々の言葉。

本当に大変だなあって思います。

親の心子知らず。

でもそうなる原因を
作っている家族のひとりであることも
これまた確かなことで。

二ヶ月待ちがざらになってきているので
こうして
顔を見れないと残念な気持ちになるのは
当然なんですが。

そこに
本人がいないことが
とてつもない喜びになることも
この仕事ではあり得るわけです。

打つことにも
抵抗のある数々の暴言によって

その子は

「学校」という場所を失いました。

本人は何もしていません。
不快な発言や
空気が読めない行動も取るような子ではありません。

ただ権力集団に
ターゲットにされただけです。
自分たちの立場を守るための
共通語として
その子への暴言は習慣化されていった。

本人が逃げたのではなく
その場所を失ったのです。

真面目な子なので
学校にとどまる努力をし続け
体も壊しました。

なので
それがしが学校を
彼女の中から消滅させました。

生きることが難しくなるほど
通わねばならないところではないし
命懸けで闘わねばならない場所でもない。

子どもが
「NO!」と心の中で叫んでいれば
その場所から逃げることを選択させます。

ネガティブな言葉です。
逃げるって。

でも
人間にとってこの逃避本能が
命を守っていくために
本当に必要な能力だと思っていますから。

あくまで
命を守るという観点ですが。

当初は
それがしの目を見ることもできなかった彼女ですが
次第に笑顔を見せるようになっていきました。

そして
自分の辛い過去も
笑って話せるようになりました。

それがしが
この子は間違いなく
幸せになるはずだと確信したのは

他人に対する恐怖や
謂れのない理不尽な悔しい経験をしていても尚
人を憎んでいなかったことです。

それがしは小物なので
憎いものは憎いし
許せないものは許せない。

40を過ぎても
その感情を抑えることなどできません。
お恥ずかしながら。

その子は
高校生活に大きな希望を抱いていました。

そこで
また誰かと笑顔で生活する日が来ると。
その準備にかかる努力は
決して怠らないと。

たった一人で。
それを続けました。

ご両親の支えもありましたが
ほぼほぼこの子は一人で
それがしの提案を
淡々とこなし続けたわけです。

文学の話
社会の話
恋愛の話
音楽の話

最初はそれがしの話に
相槌を打っているだけでしたが
そのうち
それがしも論破されるようになりました。

本当に素敵な感性の持ち主だなって
感心しました。

凡人には敵わない。
そんなことは
この診察室ではよくあることです。

どうしてもやりたいことがあると
本人が
志望校として選んだ高校に対して
それがしは「?」が浮かびました。

何故その高校なのだろうって。

それがしにも
なかなか打ち明けなかったんですが
高校受験を控えたある日。

恥ずかしそうに
その子は志望理由を明かしました。

その子の選んだ道は
「音楽への道」

それも軽音楽です。

ボロボロだった彼女を支え続けたのは。
たった一人で
努力し続けるためのエナジーは

その子にとって「音楽」だったというのです。

短時間でたくさんの人に
勇気と力と幸せを与えられるものは何か。

それは
その子にとって
ステージから放たれる
アーティストのメッセージであり
音だったわけです。

予想を裏切られるって
こういうことを言うのです。
まだまだ固定化されたイメージに
左右される愚かな自分を見せられたような気がしますね。

それでも
不安はあって
とても怖くて
また行けなくなるのではないか。
またあの言葉を投げかけられるのではないか。

そう言いながら
涙をこぼしたこともありました。

それでも
志望校に合格し
それを報告に来た彼女の顔は
本当に素敵だった。

高校生活が始まって一ヶ月半が過ぎた今日。

近況報告に来るはずだった
その子の姿が
待合室にはありませんでした。

申し訳なさそうに
入室してくるご両親の顔が
本当に嬉しそうで。

入学から一日も欠席せず
楽しそうに通っているとのこと。

そして
もうバンドを組み
ベースを担当しているとのこと。

ベースか。

連れて行く約束をしていた
ライブに
連れて行っていれば良かった。

彼女がベースを弾くのであれば
どうしても見て欲しかった
ベーシストがいました。
今はもう
生で聞かせてあげることはできませんが。

彼女がスポットライト浴びて
ベースラインを奏でる姿を想像するだけで
嬉しくて仕方がない。

どんな音楽であっても
それを目の当たりにしたら
直視し続ける自信などありません。

その子は乗り越えました。
自分の力で。

最後は「自分の覚悟」しかないのです。

そして
覚悟さえすれば
勇気などあとからじゃんじゃん付いてきます。

勇気を持って
その一足を前にではなく

覚悟して一歩踏み込めば
次の一歩は勇気が
次の一歩は自信が
次の一歩は確信が
それを踏み出してくれるものだと
それがしは思っています。

「私が行かないことが
 一番先生嬉しいんじゃないの?」

行ってきますと
家を出ていくとき
彼女は母親にそう告げたそうです。

よくお分かりで。

今日もまた一人卒業。

サヨナラしました。

ありがとうというサヨナラです。

いつか
彼女のライブに行こうと思います。

その時の再会を
今から楽しみにして。

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